こんにちは。
今回は「アバターを利用した対人コミュニケーションに関する文献」のご紹介です。
メタナビ.comでは不定期でこういった文献をご紹介していこうと考えておりますので、ご興味があればTwitter等フォローして頂ければと思います。
それではいってみましょう!
アバターと現実の自分との関係性に関する文献
2018年のシステマティックレビューで、過去の43のアバター関連の文献をまとめており信頼性が高いと思われます。
物理的側面、自己概念、自己必要性、識別の4つの異なる自己次元を抽出し、アバターとオフラインでの自己の関係性に迫ります。
ユーザーには大きく二つの種類があり、(これは普通に考えても解りそうですが)アバターはオフラインの自分と似ているパターン(ユーザーの実際の身体的または心理的特性の複製またはわずかに改善させた程度)または、オフラインの自分とは異なり、それらの大幅に変換されたパターン。
この二分法は、社会心理学の2つの理論的アプローチ、それぞれリレーショナルアプローチと社会構築主義アプローチにリンクすることができます(Mancini&Sibilla、2017)。
リレーショナルアプローチでは、アバターはユーザーのアイデンティティを「探索」する手段と見なされます。つまり、実際の自己とは異なるが、それでも類似している可能性のある自己を実験するために使用されます。
一方、社会構築主義のアプローチでは、アバターはオフラインの自分から離れており、ユーザーが実際から切り離された自分の姿で「実験」する手段と見なされます。
筋骨隆々のアバターを纏うと、実際の筋持久力もパワーアップする可能性があるという研究
筋骨隆々のアバターを纏うと、実際の筋持久力もパワーアップする可能性があるという内容になります。こちらの研究では、男らしさに自信のない若者が、理想的な筋肉の男らしいアバターのカスタマイズする傾向があるかどうか、そしてそのようなカスタマイズが自己肯定的であるかどうかを調べました。
238人の男子大学生は、筋肉的な見た目に自信のない男子学生が、そうではない学生よりも、大きな筋肉を持つようにアバターをカスタマイズしたことを明らかにし、さらに、カスタマイズされた大きな筋肉のアバターでは、ハンドグリップタスクでより大きな筋持久力を発揮したと報告しています。
こちらは米国の研究なのでそのまま日本人に当てはめることには勿論、懐疑的ですが、アバターは、心理的側面のみならず、実際の身体能力さえも変えてしまう可能性があることが示唆されます。
個人の性格特性とアバターのカスタマイズの関連性を調べた研究
こちらは少し古い論文になります。
作成するアバターは、男女ともに、それぞれ理想的な男性、女性の体と一致するアバターを作成する傾向がありました。さらに、内向的な男女、および神経症傾向の女性は、より魅力的なアバターを選択する傾向が高く、また、自尊心の低い人は、肌の色が薄いアバターを選ぶ傾向があることがわかりました。
米国の研究ですので、そのまま日本人に当てはめるのは無理があると思いますが、選ぶアバターやそのカスタマイズから、その人の性格がある程度まで解るというのは何となくありそうですね。
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